胃カメラ
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特徴
- 苦痛に配慮し安心して検査を受けていただけるよう体制を整えています。
- 検査後、ゆっくり休んでいただけます。
- 土曜日や午後からの検査も対応しています。
- 尼崎市と連携し、胃がん検診を行っています。
- 医師と相談のうえ、胃・大腸カメラ同日の検査も可能です。
胃カメラとは…
内視鏡を挿入して、食道・胃・十二指腸を含めた上部消化管の状態を、モニター画面で観察する検査です。病変など疑わしい部分の組織の採取や、がんなどの疾患の早期発見が可能です。
当センターの胃カメラは、口からの胃カメラ《経口内視鏡》を行っています。先端部径は約8~9mmです。口から内視鏡を挿入していきますので、舌の根にスコープが触れるため、検査中は嘔吐反射がみられると苦しくなってしまいます。このような状態をできるだけ軽減できるように、当院ではのどの表面麻酔と鎮静剤を使用し、患者さんの苦痛や負担を減らす内視鏡検査を心掛けています。
検査時間は、5~10分程度です。
次のような方には胃カメラをお勧めします
- 胸やけ、胸のつかえ、のどの違和感、慢性の咳、酸っぱいものが上がってくる
- みぞおちの痛み、胃もたれ、食欲不振、、げっぷの症状
- 貧血がある、黒い便が出る
- ピロリ菌の検査で陽性判定が出た、ピロリ菌の検査をしたことがない
- 血縁者に胃がん、食道がんに罹った人がいる
- 40歳を過ぎたが一度も胃カメラをしたことがない など
胃カメラでわかる主な病気
食道がん
早期食道がん
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進行食道がん
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食道は「のど」と「胃」を結ぶ25㎝の管状の臓器で、口から入った飲み物や食べ物を胃まで運ぶ役割があります。食道の粘膜に発生するがんを食道がんといいます。
食道がんは、初期に自覚症状がないことがほとんどです。がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、飲食物のつかえる感じ、体重減少、胸や背中の違和感、咳、声のかすれなどの症状が出てきます。これらの症状は肺や心臓、のどなどの病気でもみられますが、上部消化管内視鏡(胃カメラ)で食道も検査することが大切です。
食道がんの主な発生原因は、過度の飲酒と喫煙です。アジア人に多いフラッシャー(お酒を飲むと顔が赤くなる人)は食道がんのリスクが高いと言われています。また、熱いものを飲んだり食べたりすることが食道がんの危険性を高めるという報告もあります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が十二指腸の方に流れず、食道の方に流れてしまう病気です。過度の飲酒、肥満、食道裂孔ヘルニア、胃切除後などが原因となることがありますが、いずれも胃酸を含む胃内容物が食道へ逆流することで発生します。
自覚症状は胸やけ、胸の痛み、飲み込みづらさ、咳など多岐にわたります。症状や身体診察に加えて、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を用いて診断します。治療の基本は食生活の摂生です。具体的には「肥満者に対する減量」「喫煙者に対する禁煙」「(夜間に症状の出る方は)遅い夕食の回避(就寝3時間前には食事を終わらせる)」「就寝時の頭位挙上(頭を高くして寝る)」ですが、症状の強さや、内視鏡所見の程度により、制酸剤・胃粘膜保護剤といったお薬での治療が必要となる場合もあります。
食道裂孔ヘルニア
食道と腹部の境目にある薄い筋肉の膜のことを横隔膜と言います。この横隔膜には血管や食道などが通る穴があいており、このうち、食道が通る穴(食道裂孔)から、本来、横隔膜より足側(腹腔)にあるべき胃の一部が横隔膜より頭側(胸腔)に飛び出してしまうことを食道裂孔ヘルニアと言います。加齢や生活習慣病などが原因で起こる場合と、生まれつき食道裂孔ヘルニアを起こしやすい場合があります。食道裂孔ヘルニアがあると逆流性食道炎を起こしやすくなるので、逆流性食道炎のところで述べた生活習慣の改善をこころがけてください。
胃がん
胃がんとは、胃の表面の上皮の細胞が悪性化する病気です。
悪性化とは、無秩序に細胞が増殖しながら周囲に侵食(広がっていく)していく能力と、がん細胞が血管やリンパ管に入り込んで、他の臓器に転移するという能力を身につけてしまうことをいいます。がんの進行度(いわゆるステージ)は、がん細胞が表面からどれだけ深くまで広がっているか、あるいはリンパ節や他の臓器にどれだけ転移しているかによって決まります。
ステージによって「内視鏡で治療できる場合」と「外科的に胃切除が必要な場合」「抗癌剤による治療(化学療法)となる場合(このとき原則手術はできません)」にわかれます。
日本は世界でも胃がんの発生頻度が高い国で、治療の研究が進んでおり、定期的な内視鏡検査で早期発見できれば完治も可能な病気です。ピロリ菌感染陽性の方、以前陽性で除菌治療を受けた方、胃がんの家族歴がある方、慢性胃炎のある方は、胃がんのリスクが高いため、症状がなくても定期的な上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を必ず受けるようにしましょう。
ピロリ菌感染
Helicobacter pylori,通称ピロリ菌は、胃の表面を覆う粘液の中に住みつく菌で、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、一部の(鉄欠乏性)貧血などの原因となることがわかっています。
免疫機構が十分に発達していない乳幼児期の井戸水摂取や、親からの経口感染が感染の原因ではないかと言われています。
日本人では65歳以上の高齢者で半数以上の人が感染していると言われています。
ピロリ菌は、抗生物質を一週間内服することで退治する(除菌と言います)ことが出来ます。除菌後の胃がんの発がんリスクは半分程度に下がると言われており、胃がんを予防するという意味でもピロリ菌の除菌治療は有用です。当センターでは、使用する抗生物質にアレルギーがなければ積極的に除菌治療を行っています。また、ピロリ菌の診断(いるかいないか)や治療の効果判定(除菌できているかどうか)に、ピロリ菌検査の精度の高い方法と言われている、尿素呼気試験を採用しています。当日、院内測定が可能です。
急性胃炎
胃の粘膜が急に炎症やただれを起こしてしまう状態を言います。主な症状は、みぞおち周辺の痛み、胃もたれ、吐き気、むかつきなどがあります。発症の原因としては、暴飲暴食、アニサキス症、アルコール、ストレス、薬剤などがありますが、最近では、痛み止めや抗生物質などの薬剤によるものが増えてきている印象です。原因に応じて治療を行います。
慢性胃炎
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慢性胃炎とは、長期間にわたり胃炎が続いている状態のことで、そのほとんどがピロリ菌感染を原因とする萎縮性胃炎です。
萎縮性胃炎とは小さいころから何年もかけて胃が荒らされ続けて胃の皮が薄くなってしまうことを言います。胃カメラを見るだけで、その薄くなっている様子が観察できますので、内視鏡医が見ればある程度の判断がつきます。萎縮性胃炎自体は症状もなく、治療の対象とはなりませんが、ピロリ菌が陽性の場合は除菌治療をした方が良いと思います。(詳しくはピロリ菌感染、胃がんの項目をみてください)
胃ポリープ

胃のポリープは、ほとんどが「胃底腺ポリープ」を指しています。胃底腺ポリープとは「胃が元気な証拠のポリープ」です。がんに育つことはないため、治療の必要はありません。胃底腺ポリープはピロリ菌に感染していない場合に多くみられます。
もう一つ、胃の中には「過形成ポリープ」と呼ばれるタイプのものもあります。こちらもほとんどがんになることはありませんが、ピロリ菌による萎縮性胃炎に合併することがあります。ごく稀にがん化することがありますので、年に1度定期的に胃カメラを受けていただくことをお勧めします。
胃・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の内側の粘膜が深く傷ついた状態をいいます。原因はピロリ菌によるものと痛み止め(NSAIDsと言われる鎮痛薬)の内服によるものがほとんどですが、場合によっては胃がんでも胃潰瘍を伴うことがあります。ストレスでも起きるイメージがありますが、現在では胃・十二指腸潰瘍のほとんどが、ピロリ菌か鎮痛薬が背景にあることがわかっています。
胃・十二指腸潰瘍が発症すると腹痛などの症状が現れます。潰瘍から出血することもあり、その場合は便が黒くなったり、貧血などの症状が現れるので、早期の治療が必要です。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、内視鏡検査で胃や腸に明らかな異常がないにもかかわらず、みぞおち辺りの痛みや胃もたれなどの上腹部症状を慢性的に認める病気を指します。この場合には、胃や十二指腸の機能的な問題によって症状が起こっていると考えられます。病状に応じて生活習慣の改善や内服薬(制酸剤や胃の動きを良くする薬)による治療を行います。難治例には漢方薬や抗うつ薬、抗不安薬が有効であるという報告もあります。
機能性ディスペプシアの罹患率は約15%という報告もあり、頻度の高い身近な病気です。命に関わることはありませんが、我慢せずに適切な治療を受けることが大切です。
胃カメラ検査の流れ
1.日時の予約
ご予約はお電話で受け付けています。 TEL:06-6429-1463 内視鏡センター
直接来院していただき、まず診察を受けていただいてからのご予約も可能です。
普段服用しているお薬(抗血栓薬、糖尿病治療薬、降圧剤など)があれば、お申し出ください。
2.検査前日
午前の検査:夕食はできるだけ消化の良いものにし、21時以降は食事を摂らないでください。
水分摂取の制限はありません。
午後の検査:検査前日の食事制限はありません。
3.検査当日
午前の検査:起床後から検査終了まで食事を摂らないでください。
普段服用されている薬で心臓、血圧のお薬がある方は、起床後すぐに服用してください。
※糖尿病のお薬は飲まないでください。
お水は検査1時間前まで飲んでいただいて構いません。
午後の検査:お薬と飲水の注意点は、午前の検査(上記)と同じです。
午前8時までゼリー飲料(果肉など固形物が入ってない透明なもの)は摂っていただいても構いません。以降、食事を摂らないでください。
当日は楽な服装でお越しください。身体を締め付けるものは避けてください。
鎮静剤を使用される方は、ご自身の運転(自動車、バイク、自転車)による来院は控えてください。
4.検査時の流れ
- 荷物をロッカーに預けていただきます。お着替えの必要はありません。
- 検査前の問診があります。
- 胃の中の泡を除去する消泡剤を服用していただきます。
- 検査室のストレッチャーに横になっていただき、喉の表面麻酔をさせていただきます。
- お体を左側に向けていただきます。
- 鎮静剤の注射を行いますので、リラックスした状態で検査を受けてください。
- 検査時間は、5~10分程度です。
5.検査後
ストレッチャーに横になったままリカバリールームに移動し、ゆっくり休んでいただきます。
その後診察室で、医師より検査結果をご説明します。
※組織を取る検査(生検)をした場合の病理組織検査結果は、2週間後以降に再度診察にお越しいただきご説明します。
6.胃カメラ後の注意点
- 検査後約1時間後、喉のしびれがとれてから飲食していただけます。
- 組織を取る検査(生検)をした場合は、香辛料などの刺激物、アルコールの摂取、激しい運動は控えてください。
- 鎮静剤を使用された方は、乗り物(車・バイク・自転車)の運転は控えてください。
胃カメラ検査の費用
1割負担 | 3割負担 | |
胃内視鏡(検査のみ) | 2,000円前後 | 6,000円前後 |
胃内視鏡+病理組織検査 | 3,000円前後 | 9,000円前後 |
胃内視鏡+病理組織検査+ピロリ菌検査 | 5,000円前後 | 15,000円前後 |
※内視鏡検査前の診察代や血液検査代は含まれておりません。
※病理組織検査とは胃の組織を一部採取して、炎症の程度やがん細胞が含まれていないかどうかを光学顕微鏡で詳細に調べる検査です。(結果が出るまで約2週間かかります)
ピロリ菌によるリスク
ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるだけでなく、慢性(萎縮性)胃炎を起こし、胃がんのリスクを増加させると言われています。日本人の胃がんの死亡者数は、肺がんに次いで第2位であり、胃がんは日本人に多い病気です。ピロリ菌に感染している場合には、ピロリ菌の除菌治療により、胃がんのリスクが低下すると言われています。また、ピロリ菌は、胃がん以外にも下記の様々な病気との関与も言われており、これらも除菌治療が推奨されています。
- 萎縮性胃炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 胃MALTリンパ腫
- 機能性胃腸症
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 胃過形成ポリープ
- 早期胃がん内視鏡治療後胃 など
尿素呼気試験
当センターでは、ピロリ菌検査の精度の高い方法と言われている、尿素呼気試験を採用しています。20分ほどお時間が必要ですが、その後数分で結果が出ますので、すぐに結果をお伝えするこができます。判定結果が陽性の場合、すぐに治療を開始できます。
普段服用されている胃薬の種類によっては、当日検査が出来ないことがありますので、ご相談ください。
診療実績
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
胃内視鏡検査 | 1512 | 1501 | 1476 | 1425 | 1128 |
大腸内視鏡検査 | 1202 | 1095 | 975 | 994 | 1002 |
ポリペクトミー(2cm未満) | 234 | 369 | 322 | 473 | 543 |
ポリペクトミー(2cm以上) | 4 | 8 | 6 | 15 | 8 |
ポリペクトミー(入院) | 127 | 112 | 78 | 82 | 125 |
尿素呼気試験 | 155 | 252 | 267 | 202 | 155 |
1次除菌 | 48 | 138 | 116 | 64 | 57 |
2次除菌 | 12 | 20 | 13 | 10 | 5 |
胃瘻造設術 | 30 | 21 | 19 | 16 | 7 |
担当医紹介
![]() 理事長:杉安 保宣 日本内科学会認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器病学会専門医 近畿大学医学部 1994年3月卒業 |
![]() 医師:磯﨑 豊 総合内科専門医 認定内科医 京都府立大学医学部 2005年3月卒業 |